2006年04月27日

野菜ソムリエの美味しい経営学

今日はちょっと手短に。
フード関連の書評です。
書店でタイトルで気になって買ってみたのですが、
これがなかなか新鮮でした。

「野菜ソムリエの美味しい経営学 幻冬舎」
福井 栄治(著)

目次
 前書き
 第一章 なぜ今、野菜のソムリエなのか
 第二章 食品の安全性が問われる時代
 第三章 このままでは日本の農業が危ない!!
 第四章 農業分野におけるマーケティング戦略
 第五章 農業で稼ぐためのビジネスモデル

著者は日本ベジタブル&フルーツマイスター協会を立ち上げ、
いわゆる「野菜ソムリエ」の資格制度を作った方です。

エリート商社マンから一転、八百屋になったという異色の経歴。
このままでは日本の農業はまちがいなくなくなる、
という危機感を、商社での経験から抱いたというんですね。

◆黙って並べておくだけでは青果物は売れない
 →今までの青果物を扱う人の感覚ではダメ。
  知識を持って、お客様に積極的に販売できる野菜ソムリエが必要。

◆「規格」と「安全性」どちらが必要な情報か
 →お客様は青果物の見た目や大きさより、安全性を求めている。

◆「作れば作るだけ売れた」時代の代償
 →生産性の良い改良品種ばかりが作られるようになり、
  昔ながらの地元野菜やおいしい野菜が消えていった。

◆農家に求められる経営者意識
 →海外の野菜に対抗できない経営者意識の少なさ。
  儲からないなら農業を継ぐ若者は少ない。

◆トレーサビリティーは本当に必要か
 →生産履歴の追跡。安全性の保証として流行ってはいるが、
  それにかかるコストは生産者か消費者にかかる。
  しかし、それで青果物自体の味が良くなるわけではない。
  安心して買える販売員との人間関係があれば事たるのでは?

◆農業は本当に儲からないのか?
 →現状の農業生産と農作物流通の仕組みが問題
  問題提起は50年近く前にはされていたのに、慢性的に悪化している。

◆リスクを回避するカギ、「農業の法人化」と「大規模化」
 →天候不良などの経営上のリスクを、法人にすることで分散する。
  「1/1の農業から100/100の農業へ」、大規模化。
  リスクマネジメントとサプライチェーン。

◆商品を分ける三つのカテゴリー
 →「コモディティ」一般的な普通の規格品。
  「スペシャリティ」朝採り野菜やフルーツトマトなど。
  少し価値があるが購買者層は広い。
  「ラグジュアリ」ブランド品。京野菜や海外のブランド産地など。
  「スペシャリティ」がこれからのポイント。

◆視点を変えるだけで売上が何倍にもなる
 →コモディティの中に埋もれているスペシャリティを見つける。

◆スペシャリティ・アイテムの生かし方
 →販売員がその特殊性をきちんと伝えられるからこそ価値がある。

◆自立した農業を目指す
 →宣伝・広告・マーケティング・販路。
  個人農家でも顧客をつかめば安定する。

野菜ソムリエという言葉は最近出てきたのですが、
私も注目していました。
そして、都内に出来た八百屋さん「Ef」というお店も、
今までにない野菜の販売スタイルということで同じく注目していました。
この両者がこういったつながりを持っていたというのは、
初めて知ったのでかなり興味深かったです。

農業に対する危機感や、物流のビジネスモデルなど、
かなり多くの部分で共感できました。
私自身、いつかそういったビジネスが出来たらと思っていたので、
一つの理想がそこにあったようにさえ思います。

じゃあまずは、野菜ソムリエこと、
「ベジタブル&フルーツマイスター」の勉強をしようと思います!
お酒の勉強ばかりじゃだめです。笑

というわけで、今日は久々の書評でした。
ご興味のある方は是非読んでみてください。

posted by koji at 08:25| 東京 ☁| Comment(7) | TrackBack(0) | フードコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P80833052
★こんなのもありますよ、間違いありません。
★やめる事は簡単です、初めて見てください。
http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P80833052
Posted by chan at 2006年04月27日 10:18
ゴールデンウィーク目前ですねっ♪
この本、読んでみますっ。
僕もこの考え方の大半と同意見ですねぇ。

この流れにのって企業が農業に進出してますね。ただ無農薬だけど、無菌室での水耕栽培だったりとか・・・情報を上手く利用してる人も増えてきますよね〜。
そう言った意味でも、野菜のソムリエって良いですね。

野菜ソムリエって、土とか食べる人ですか?

僕は、大地のエネルギーをたくさん吸った、美味しい野菜を食べたい〜です。



Posted by スロフ☆ at 2006年04月27日 18:37
スロフ☆さん、コメント有難うございます♪
この本は確かにオススメです。
きっと共感される部分も多いと思いますよ。
ちょっとビジネスライクすぎると感じるところもありますが、これくらいの意識がないと現状を変えることが難しいのかもしれませんね。
野菜ソムリエは土の味まで確かめるんですか??汗
青果物の物流、販売、管理のプロで、
ただ陳列するだけでなく、
食べ方や旬の情報などをお客様に伝えることで、
ワインのソムリエのようにアプローチできる人、
のことのようです。
スロフ☆さんもそうですし、私もそうですしが、
美味しい健康な野菜を食べたいと願う人に、正しく美味しい健康な野菜を見極めてくれるんだと思います。
美味しい野菜、食べたいですよね〜ほんと。
Posted by koji at 2006年04月28日 00:11
こんにちは!! 今回の野菜ソムリエの意識
は、和紙の業界にも言えそうです。
ただ…時間に任せ紙を漉いている時代は終わり
エンドユ−ザ−が欲しい商品、魅力ある商品
を作れない限り、伝統の上に胡坐をかいて
ばかりでは、なにも進みません。

時代は、どの業界にも、転機を要求している
のでしょうが、変化を怖がる人のが多いので
しょうね。 考えさせられます。
Posted by Next-JIS at 2006年04月28日 10:41
こんにちは。
ご無沙汰していました。
一つ一つ納得しながら読ませて頂きました。
私の周りでも、良いもの選んで食べている人多いですね。教えてもらう事も多いですし。
今、スーパーでも生産者の顔が見える売り場が多くなったように感じます。
ひと言の説明付きが説得力有ります。
ここのとこ、トマトを毎日食べているので、そういう売り場の中からチョイスしています。
相変わらず・・私もトマトにビール。。です。
Posted by スー at 2006年04月28日 16:46
八百屋さんのマーケティング、面白いですね。
おいしい野菜ってなんかパワーがありますよね〜

安くておいしくて安心できる、そんなお店を実現できるといいですね!

Posted by dance at 2006年05月01日 19:09
Next-JISさん、お返事遅くなってしまいすみません。
和紙の業界でも同じというのはとても興味深いですね。
日本の伝統的な産業が後退していくのには、
同じような理由があるのかもしれません。
変化は最初の一歩を踏み出すのが抵抗があります。
でも、それが出来れば進歩は早い時代じゃないでしょうか。

スーさん、お返事遅くなってしまいすみません。
スーパーでも確かにそういった試みをしているところが多くなってきました。
ただ、どこか的外れなことをしている場合もあって、
それを完璧にフォローするのが野菜ソムリエという仕事のようです。
急に夏日になったので、トマトとビールの組み合わせがばっちりですね!笑

danceさん、コメントありがとうございます♪
おいしい野菜にパワーがあること、それ自体が忘れられてしまってる気がします。
旬の野菜には栄養面でも、価格面でも消費者にとってはいいことばかりですが、
通年で出回っているスーパーの陳列棚の野菜にはそれは感じられませんね。
この本はすぐに読みきれるので、もし気が向いたら是非読んでみてください。
Posted by koji at 2006年05月01日 20:44
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