2006年08月19日

泡が飲みたい。シャンパーニュができるまで。

〓〓〓〓[×〓.gifここのところまた更新が滞っておりました。。。
また少しずつでも書いていきたいと思いますので、
みなさんどうぞ気長にお付き合いくださいませ。

今月の「料理王国」はシャンパーニュの特集でした。
シャンパーニュというとわかりづらいかもしれませんが、
日本ではシャンパンの名前でおなじみ。
発泡性のワインのことですね。

いわゆるシャンパンとスーパークリングワインの違いは、
実は以前にも記事で取り上げています。
フランスシャンパーニュ地方の背景もそこでおはなししていますので、
どうぞ参考にしていただければと思います。
2005年3月25日シャンパンのおはなし

なので、今日は実際にシャンパンがどうやって作られているのか、
ということをご紹介したいと思います。

ブドウの品種は3つ。
ピノ・ノワール、ピノ・ムニエは黒色(赤色)のブドウ。
シャルドネは白ブドウ。
白いワインですが黒ブドウでもいいんですね。
これは白ワインも同じですが、
収穫から醗酵までの工程もほぼ白ワインと作業は同じです。
まずは収穫ですね。
シャンパーニュ地方のワイン委員会が収穫の時期を決めています。
発泡性のワイン、シャンパンに使えるブドウは、
畑1ヘクタールあたり7500kgまで。
これを越えた量のブドウは全て発泡性でない普通のワインに使われます。
これをすべて、一房ずつ手摘みすることが義務付けられているんです。
房から一粒ずつはずすのも、未熟な実、潰れた実を取り除くのも、
全て手作業なんですね。
何よりもまず、実が傷つかないようにすることに細心の注意が払われます。

次は実を絞ってジュースにする、圧搾の作業。
伝統的な垂直式圧搾機を使うそうです。
シャンパーニュの特徴としては、
ほとんどの場合シャンパンの醸造会社で圧搾が行われるということ。
個人ではあまりやらないということなんですね。

円形で平たい大きな圧搾機は一度に4000kgのブドウが入ります。
表面積を大きく取ることで、ブドウの果汁と皮が触れ合う時間を極力短くするんです。
皮の色が果汁についてしまうと、綺麗な白ワインにはなりません。

最初に出てくる2050リットルの果汁をキュヴェと言い、
高級シャンパンに使われます。
それ以上の果汁を順に、プルミエール・タイユ、ドゥジエーム・タイユと言います。
あわせて500リットルくらいの果汁ですが、
これは高級シャンパンに使うことはできません。

この時点で味や成分をチェックし、
必要があればシャプタリザシオンと呼ばれる工程が入ります。
加糖ですね。その年に日照時間が足りなかったりすると糖分が足りません。
シャンパーニュ地方は特にブドウ栽培の北限にほど近いため、
たいていの場合、加糖されることになります。
アルコール度10〜12%を確保するには必要な糖分なんですね。

ここからステンレスタンクや樽などで醗酵。
醗酵が落ち着けばスーティラージュと呼ばれる澱引きをしますが、
ここまでは実は、普通の非発泡性のワインを造るのと同じ作業。
普通のワインだとここから貯蔵・熟成に入っていくわけですが、
シャンパンはここからが違ってくるんです。

違いの一つめは、ブレンド。アッサンブラージュと呼ばれます。
最初の醗酵が終わったあと、
黒ブドウ、白ブドウ、さらには畑や生産者ごとに違う原酒をそれぞれ組み合わせ、
作り出したいシャンパンの味を決めていきます。
ノンヴィンテージワインである場合、
前年や前々年の保存用ワインを加えたりして味を仕上げていきます。
セラーマスター(醸造責任者)の腕の見せ所ですが、
なんせまだ未熟性のワイン原酒から熟成後のワインを想像して味を決めるわけです。
この作業には大変の熟練と才能が必要と言えます。

ちなみにシャンパーニュ地方の非発泡性のワインは、
このアッサンブラージュされた原酒を瓶詰めしているものです。
発泡性になるのはまたこの後の工程からです。

ブレンドされた原酒にさらに酵母と古いワインに溶け込ませたショ糖を加えます。
この加えるワインをリクール・ドゥ・ティラージュと言います。
「仕込のワイン」とでも言ったところでしょうか。
二次醗酵させるための糖分添加ですね。
この糖分が少なすぎると十分な泡立ちが期待できませんが、
多すぎるとボトルが破裂する恐れも。。。
1リットルあたり25グラムの糖分が基準ですので、
念入りに原酒の糖分を調べてから加糖されます。

リクール・ドゥ・ティラージュが加えられたら瓶詰めされます。
そして地下セラーに並べられますが、
この時にはすでに瓶内で二次醗酵が始まり、
瓶内で発生した炭酸ガスがワインに溶け込んでいます。
瓶は間仕切りがしてある特性の棚に並べられ、
一本が破裂しても他の瓶に被害を与えないように注意がされています。

醗酵はだいたい3ヶ月ほどかけてゆっくり進みますが、
その間、「苔」とよばれる不純物がたまりやすくなります。
これが固まってしまうと十分な醗酵ができなくなるため、
固まる前に瓶をゲンコツで叩いて苔の固着を防ぎます。
アントレイヤージュという作業ですが、
もともとは「棚に並べて寝かせる」という意味だそうです。

醗酵が終わっても、そのまま瓶の状態で熟成されます。
ノンヴィンテージで15ヶ月以上、ヴィンテージで3年以上と決まっています。
上質なものだとやはり5〜7年は寝かせる必要があります。

熟成がすんだワインには、ルミュアージュと呼ばれる作業が待っています。
日本語だと、「攪拌作業」と訳されるそうですが、
実際の作業は攪拌とは全くちがい、瓶内にたまった澱を取り除く作業です。
横に寝かされて瓶の側面に沈んでいる澱を、
瓶の口の部分に寄せるために、瓶を倒立させる作業なんですが、
これがまた大変なんです。
ただ瓶を逆さまにしておいとけばいいわけじゃありません。
まず瓶は穴の開いた板に差し込まれて固定されます。
その状態の瓶を、ルミュールと呼ばれる職人たちが毎日少しずつ
「動かしながら」(ルミュエという動詞がこの語源)4分の1回転させます。
この回転作業をしながら瓶の傾斜を少しずつきつくしていき、
3、4ヶ月かけて完全に倒立させていくという大変な作業なんですね。
ちょっと言葉で説明するのが難しいですが。。。

ちなみにこの作業の職人が一番大変で一番高給取りです。
一日に3万本の瓶をクルクル回していくというんですから。。。
ですが、現在ではこの作業はほとんど自動の機械によってされているそうです。

さて、長くなってきましたがシャンパン作りもいよいよ大詰め。
瓶の口に集まった澱を抜くために、一度栓を抜く必要があります。
デゴルジュマン(「呑んだものを吐き出す」が語源!)と呼ばれる作業ですが、
炭酸ガスの圧力をそのまま利用して、
溜まった澱を栓もろとも吹き飛ばしてしまおうという荒業です。笑
昔は熟練の技を持った職人の仕事でしたが、
やはり吹き飛ばすと当時に相当量のシャンパンが飛び出すため、
ロスの多い作業でした。
現在では瓶の口をマイナス20℃まで冷やして凍らせ、
澱を凍りつかせてからすることでロスを減らしています。

とはいえやっぱり多少は減ります。
ですからその分を補うワインを加えます。
ショ糖を混ぜたシャンパーニュのワイン(非発泡性のもの)を少量。
リクール・デクスペディシオン、門出のリキュールと呼ばれています。

このとき加えられる門出のリキュールのショ糖の量によって、
シャンパンの完成の味、辛口か甘口かが決まってきます。
シャンパンの表示で見たことがあるかもしれませんね。

ブリュット brut・・・加糖なしが原則ですが、渋みが強いときは少量加糖されます。
エクストラ=セック extra-sec またはエクストラ=ドライ extra-dry ・・・1〜2%のリキュール添加。
セック sec またはドライ dry ・・・3〜5%のリキュール。
ドゥミ=セック demi-sec またはセミ=ドライ semi-dry ・・・6〜7%。
ドゥー doux ・・・8〜10%。

といったところでしょうか。ラベルに書いてあると思います。
ただ、普通のワインの辛口、甘口を想像してしまうとギャップがあります。
シャンパンではセックくらいでかなりの甘口だと思っておいたほうが良いですね。

さて、ここまでくれば後は再びコルク栓をして針金で留めるだけです。
といっても、デゴルジュマンからこの栓をする作業までは、
一瞬間と呼べるほど超!素早くしないといけません。
炭酸ガスがどんどん出てしまいますからね。
今ではやはり機械化が進んでいます。
ラベルをして完成です!

非常に長くなってしまいましたね。。。
この製法はシャンパン方式といわれてシャンパーニュ地方がやりかたですが、
世界のスパークリングワインには他にもいろいろな製法があるようです。
シャンパンの造り方で特徴的なのは、
やはり人工的にワインに手を加えていくものなので、
特定のブドウ品種であったり畑、生産者、
ヴィンテージというのはあまり問題ではないということです。
シャンパンは「会社」の名前が一番に出てくるのはこのためなんですね。
モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、ポメリ、ランソン、クリュッグなど。
有名どころではやはり会社名ですよね。

それに対して最近では小規模の自社ブドウのみからシャンパンを造る、
レコルタン・マニピュラン「RM」のシャンパンが巷で流行っているんだとか。。。
その特集も「料理王国」でされてます。
気になった方はどうぞ読んでみてください。

というわけで、非常に長くなってしまいました。。。
今日はこれくらいで!
posted by koji at 14:31| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | お酒のお話 ワイン集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは
いつも勉強になるな〜と思いつつ、楽しく読ませて戴いてます。シャンパンて、かなり手の込んだ工程なんですね。。。高価な理由が分かりました^^
野菜ソムリエ・調理師免許合格おめでとうございます。
これからの更なるご活躍を楽しみにしています
Posted by 金魚 at 2006年08月20日 18:07
金魚さん、コメントありがとうございます!
確かに手のかかるワインですね。。。
最近はどんどん機械化が進むワイン業界ですが、
その影響がわかってくるのはいつになるのでしょうか。
高価な理由はそれもあるかもしれませんが、
一部の高級シャンパンがブランド化し、
それか市場を牽引していいるということもあります。
年々シャンパン、値段上がってますもんね。。。汗
野菜ソムリエ、調理師として、
また一つ上の情報を提供できるように精進して参りたいと思いますので、
これからもどうぞ読んで頂ければ幸いです♪
私もおじゃまさせていただきますね。
Posted by koji at 2006年08月20日 20:05
こんばんは。
タイムリーに、スパークリングワインのお菓子をのせたところでした。
他にも、モエ・エ・シャンドン≠ネんかもお菓子で使ったりするんですが、シャンパンってずいぶん手をかけて作られるものですね。
大変勉強になりました。今月料理王国#モなかったんで・・感謝。。です。♪
Posted by スー at 2006年08月21日 01:12
スーさんおはようございます♪
タイムリーでしたか〜。よかった。
モエシャンを使うというのは贅沢なスイーツですね!
料理でもシャンパンを使うものはありますが、
普通の街のレストランじゃあきびしいものがあるかも。。。
ちなみに今月の料理王国はシャンパンの作り方は1ページしかなく、
料理とのマリアージュのはなしがメインです。
気になった記事があったときだけ買えばいいですよね!
Posted by koji at 2006年08月21日 10:39
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