2005年07月11日

第T部 肉の切り分けの関する概論

ローストターキー.jpgというわけで読み進んでおります。
「招客必携」
この本三つの部で構成されています。
今日は第T部。
肉の切り分けに関する概論
大変重厚なタイトルです。笑

アンフィトリオン、つまりゲストを招待する主人は、
会食の席で調理した肉の塊を完璧にさばき、
ゲストに供するべきである。

この本が書かれる頃、1800年代初めですが、
それまでフランスの宮廷などで繰り広げられた饗宴は、
フランス革命によって姿を消し、
節食を迫られる時代でありました。
その間に、饗宴の素晴らしさは失われ、
もてなし、もてなされる技術さえも忘れ去られていったというのです。
料理を切り分けることも給仕することも出来ない接待役は、
優れた蔵書を持ちながら解読できない所有者と同様、名誉に値するものではない。

本文でもこう示されるように、重要な切り分け。給仕。それは芸術であると書かれています。
最も優れたアンフィトリオンは、
七面鳥のロースト(丸焼き)をフォークで突き刺したまま、
テーブルに置くことなしに空中でそれを切り分けるという離れ業まで持っていたというからすごいです。
そこまでいけば確かに、芸術かもしれません。

ナイフを入れる場所、順番まで図解され、解説されるその種類。
牛 仔牛 羊 猪と豚 仔羊と仔山羊 野兎と兎 七面鳥 野雁 若い雌鶏と去勢鶏 鵞鳥 家鴨と野鴨 セルセル モレル ヤマシギとタシギ ヤマウズラ 孔雀 雉 若鶏 鳩 うずら つぐみ ズアオホオジロ イチジククイ 平目 鱒 鯉 川カマス ニゴイ
と、実にすごい数です!

どれもあんまり変わらないんじゃないかと思いますが、
その素材の柔らかさや筋繊維の向きの違いによって切り方が違っていたり、
いかにゲストにとって良い状態で給仕できるかに重きを置いているので、
手早く冷めにくい、肉汁が不用意に出ない、
そして切り分ける様も優雅に行われるように指南しているんです!

当時は流通もまだ十分ではなかったので、
珍しいジビエなどはやはり美食家にも大変稀少で重宝されましたが、
著者のグリモ・ドゥ・ラ・レニエールは、そのプレミアに惑わされることなく、
あくまでも味を重視している点が私にとって面白いところでした。
珍しいだけでやたらと値段の高いペリゴール産七面鳥よりも、
ブレスの若い雌鳥を相応に調理したものの方が一層価値あるものだ、
と言っています。

調理法のほとんどはロースト(オーブンで丸焼き)です。
ですから切り分けが重要となってきます。
ソースも、切り分けたときに溢れる肉汁を使うことが記されていて、
あまり凝ったものではなかったようですね。
しかし、肉汁を料理の味の重要なものとしている点も面白いです。
肉汁が出すぎた料理は、肉のすべてのエスプリが消滅してしまうだろう、
と本書にも書かれています。

現在の料理に応用するのは難しいですが、
その精神は見習うべきだと感じました。
もちろん、細かい図解は大変参考になるでしょう。

さあ、あと2部です。
張り切って読み進みます。

第U部 献立に関する定義と一般基礎知識 !

グルメランキングです。
posted by koji at 09:03| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | フードコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Kojiさん、まずは「復活」おめでとうございます♪
そして、ブログランキング50位以内ダブルでおめでとうございます!

復活したとたん「肉の切り分けに関する概論」とは…(笑)さすがです。
たしかに目の前でサービスされると料理への期待感が高まって、会話もはずんで、美味しさ倍増ですよね。
「七面鳥の空中切り」を想像するとあまりのすごさに笑ってしまいそうですが、見てみたいという興味はとってもあります。
そんなお店があったら行ってみたいです♪
…それにしても、写真の丸焼き美味しそう〜〜
Posted by 新米利酒師えり子 at 2005年07月14日 20:11
えり子さんいつもコメントありがとうございます♪
お客様の目の前でサーブするというのはサービスマンやコックとしても腕の見せ所ですし、お客様も喜んでくださることが多いので積極的にやっていきたいところですよね。
ただちょっと空中切りは致しかねますが。。。笑
クリスマスの時期にはローストチキンも出したりするんですよー。ターキーはなかなかオーダーありませんが。
Posted by koji at 2005年07月14日 20:35
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/5070291

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。