2005年11月27日

包丁にも色々あります。

堺の包丁.jpg最近すっかり天気がよくて、
テレビのお天気おねーさんも、小春日和小春日和と連呼してますね。
今日なんか暑いくらいでした。。。
いえ、ウェディングパーティーのお料理出しで火をガンガン使ったせいですが。笑

料理人にとって欠かせないアイテム。
どんなに機械化・大型化された厨房でも、これがないと始まりません。
そう、包丁です。
各家庭にも、無いとどうしようもないですよね。

包丁といえばどんなものでしょう。
家庭ではそんなに何本もの包丁を使い分けたりされますか?
逆に、私たちプロの料理人が持つ包丁のイメージって、どういう感じなんでしょうか?

タイトルでも書きましたが、包丁と一言で言っても多種多様、色々です。
そもそも包丁で物が切れるということから説明してもいいかもしれません。

物が切れるというのは、
下に向かって押す力の一部を、
両側へ向かって材料を押し分ける力に変えるという働きによるものです。
ですから、刃の角度が小さいほど両側へ押し広げる力は大きくなります。
つまり、薄刃の包丁ほど小さい力で物が切れるということです。
ちょっとわかりずらいかもしれませんが。。。

包丁にも色々あると言いましたが、
この物が切れるメカニズムを理解していると、
用途によって包丁が色んな種類に分かれていることを理解しやすいかもしれません。

それぞれ世界各地の料理で、使う包丁が違います。
日本料理では、出刃包丁・刺身包丁・薄刃包丁・菜切り包丁などなど。
西洋料理では、牛刀・ペティナイフ・洋出刃など。
中国料理だと、中国包丁「菜刀(ツァイダオ)」というように、
お国柄でも大まかに違ってきます。

西洋料理の包丁は、一般的にどの包丁も万能型です。
牛刀を中心になんにでも使います。
どちらかというと、作業の細かさにあわせて包丁のサイズを変えるといった程度です。

刃のつけ方というのもあります。
刃物を研ぐときに、刃に角度をつける面のことなんですが、
両面研いでいるものを両刃。片面だけのものを片刃と私たちは言ってます。
西洋料理の洋包丁は普通、両刃ですね。

一方、日本料理の和包丁は色々と使い分けるのが普通。

柳刃包丁。文字通り、柳の葉のように細長い形が特徴です。
魚の皮を引いたり、刺身を切ったりするために用います。

出刃包丁。厚い刃と重さが特徴。
魚を下ろしたり、骨を叩ききったりするのに使いますね。

薄刃包丁。野菜を切ったりむいたりするのに使います。

この三つが基本的な和包丁になります。
関西と関東で、それぞれ若干形状が違ったりするんですが、
それは魚が赤身だったり白身だったりの違いがあるそうです。
なるほど〜。

包丁で物を切るとき、
刃を材料に当てて、引いて切るか押して切るか、どちらかになりますよね。
材料にあわせて切り方を変えるのがもちろんですね。

引いて切ると、包丁の刃先になればなるほど刃は薄くなります。
薄くなるほど切るのに力がかかりませんから、
食材に余計な力がかかって崩れるのを防げます。
和包丁で刺身を引いて切るのはこのためで、
さらに言うと、和包丁が片刃なのは、
刃に角度のついていない面が食材に余計な圧力を加えることがないので、
刺身のようにやわらかな物を端からを切っていくのに適しているからなんです。

逆に、組織のしっかりしている野菜は押して切ることが多いです。
ですから、押し下げる力をだんだんに強くしていく必要があります。

包丁の刃の金属にも違いが。
洋包丁はステンレス製が多いです。
錆びないので衛生的で、管理が楽、研ぐのも簡単なので、
家庭で使われている包丁もステンレスですよね。
ステンレス鋼は、鉄と炭素にクロームを加えた金属で、
特にクロームを12%以上含有して、耐蝕性が飛躍的に向上させています。

研ぎやすいと言う利点は、裏を返せばすぐに切れなくなるという事でもあります。
実はこの点があるので、プロの料理人からはけっこう敬遠されがちだったんですが、
最近は材料の質の向上や、製造技術が発達してきて、
刃持ちのいいよく切れるステンレス洋包丁が出てきていて、
再評価されているんだそうです。

和包丁で使われている金属はまたちょっと違います。
私たちはステンレスと区別して鋼と言ってますが、
正確には炭素鋼、特殊鋼といったもの。
鉄に炭素だけを加えて作る炭素鋼は、抜群の切れ味。
鉄・炭素・クローム・テングステンを加えて作る特殊鋼は硬度と靭性(粘り強さ)を合わせもったもので、現在では最高級和包丁の主流金属です。

材料の違いでもこれだけありますが、これを一本の包丁に仕上げるのでも、
金属の量と組み合わせでまた違うものになります。
「本焼」と「鍛接」です。

本焼は単に、一つの鉄鋼で作られたもの。
一方、鍛接は表と裏で違う鋼鉄を合わせて接合して作る製法。

どちらも高度で複雑な製造工程なんですが、それぞれ全然違った製造工程なんです。
本焼は料理人にとってはかなり憧れの包丁で、
切れ味と刃の硬さ、刃持ちは抜群。もちろん、お値段も抜群です。笑

包丁作りが盛んな街で、大阪堺市が有名です。
一本一本手作りで作られるのが堺の包丁の特徴で、
街全体で組織的に作業を細分化して包丁が手作りされています。

私は生まれが大阪なので、堺が包丁で有名なのはよく知っていましたが、
こうやって調べてみて、改めて知ることが出来ました。
いやぁ。お国自慢ですね。笑

色々あると言ってみましたが、包丁を選ぶ際に大事なことは、
自分の力量と用途をよく考えることだと思います。
高級な鋼の本焼包丁は確かに良く切れる高級品ですが、
それを使いこなすにはそれ相応の腕が必要とされています。
まぁ、だから憧れの包丁とも言われてるんですが。

最近では小さめのサイズの包丁がプロの間でも人気があるそうなんですが、
最初は少し大きいなと感じても、
慣れて腕があがってくると使いやすくなってくるそうなので、
最初から遠慮して小さいのを買ってしまわなくてもいいかもしれませんね。
家庭で使う場合でも、ある程度の大きさがあるほうが、
結局は用途も広がっていいと思います。

今日は料理人にとって一番大事な包丁のお話でした。
やっぱり長くなっちゃいましたね。笑
気長に読んで頂けると嬉しいです。


グルメランキングです。
posted by koji at 23:06| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(0) | 調理雑学・うんちく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
形だけ料理人≠チぽく(笑)、堺の包丁買いましたけど。
21センチ≠フ長さを買ったんですが・・正解でした。
この間、釣れて来たばかりのお魚を料理して・・使いやすいですね。実感です。
言われる通り、用途が広がった感じです。
まだまだ〜使いこなせてないですが、でも・・気分いいですね〜。いい包丁を使うのは。
家庭でも、マジお薦めです。
Posted by スー at 2005年11月28日 18:03
用途によって包丁を使い分ける・・・憧れますね、料理上手って感じで。
いつか、魚を綺麗な刺身盛に切れるようになりたいですが、今はまだ主人にも負けます(泣)
でもいい包丁買っちゃうと、「包丁が切れないから」って言い訳ができなくなるので
今の安包丁のままのほうが良さそうです(笑)
Posted by えり子 at 2005年11月28日 19:14
スーさんコメントどうもです。
形だけ、ですか。笑。
21cmくらいなら確かに女性の手だとそれくらいがいいかと思います。
包丁の長さって、cmよりも尺を使うらしいんですよね。調べきれませんでしたが・・・
良く切れるっていうのは、それだけで料理が楽しくなると思いますよっ。

えり子さん、コメント有難うございます。
お刺身を切るのって、本当に難しい技術なんです。
ただ単に薄く真っ直ぐきればいいのかというとそうでもなく、切り方の良し悪しによっては歯ざわりも味も、油の切れ具合もまったく変わってきます。
私もよく、包丁が切れなくて・・・って言い訳するんですが・・・汗
Posted by koji at 2005年11月29日 02:14
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/9890834

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。